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20世紀の芸術の潮流のなかに身を置き、コラージュを用いて独特な表現方法を生み出したニッサン・インゲル。彼独自の芸術的世界は人生経験や感性が、自身の中に深く存在する音楽性と絵画性によって融合し、ひとつの芸術へと昇華し創出された。
そんな彼が生涯で創り出した多くの作品の中で、お気に入りの1枚とは・・・。

                    

                    

ニッサン・インゲル/聖なる円柱

                    

ニッサン・インゲルの作品の源泉となっていたのは、さまざまなものごとから得られるインスピレーションである。特に彼の作品に欠かすことのできないのが、音楽と色彩である。

                    

毎日アトリエで聴いていた音楽、庭にいる鳥たちのさえずりや花の色―。こうしたものが彼と自らが生み出した作品との関係をより密接に結びつける存在だった。また、パリやジヴェルニーの蚤の市、世界各地の美術館や博物館なども、彼に豊かなインスピレーションを与えた。

                      

彼はこの作品について、「根底にあるのは、私が旅先や博物館などで出会い、記憶にとどめてきたギリシャ・ローマの時代の建築物です。下部に同時代の円柱を配することでそのイメージを想起させるとともに、19世紀に送られた手紙の切片や古い楽譜などをコラージュし、歴史の重なりのようなものを楽しんでみました。さらにシルクのアンティークレースのリボンにどこかで見つけたスクラップ、油絵の具、アクリル絵の具、そしてパステルカラーのインクのカリグラフィーを組み合わせています。ところどころに配したヴィヴィッドな色彩が、現代的な感覚をこの作品にもたらしているのを感じていただけるでしょうか。」と語っている。

                                         

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